子供用ハーネスはいつから使える?メリットデメリットは?

みなさん「子供用ハーネス」をご存知でしょうか?
迷子や急な飛び出しの防止など、子供を危険から守る為のグッズ。
実はイギリスでは1900年代初頭と、かなり古くから使われていたと言われています。
日本では有名人のSNSなどの発言から度々話題になり、賛否両論がおこりますが、なぜなのでしょうか? 子供用ハーネスは必要か?どんな種類ものがあるのか?いつから使うのか?メリットやデメリット、使用する場合の注意点などを解説していきます。
子供用ハーネスとは
「ハーネス」とはロッククライミングでクライマーが付けるいわゆる命綱、安全ベルトの事。
それの子供用という事ですね。簡単に言うと子供用の安全ベルトです。
子どもと大人をリード紐でつなぐ事で、急な飛び出しや混雑した場所での迷子防止など、子供の安全の為に考えられた商品です。
ベストの様になっているもの、リュックに紐を付けるタイプの物、親の手首と子供の手首を繋ぐリストバンド型など色々な物があります。
歩き始めの1歳頃と言えば、言葉もまだ出始めたばかり。きちんとした意思疎通が出来ない上に、子供はあらゆる危険性など察知する事が出来ません。
歩き始めて見える世界が広がり、外にある物や動きに興味津々になる時期でもあります。
大人がしっかりと見ていてあげないといけませんが、大人が先に危険を察知する為には、じっと子供ばかりを見ている訳にはいきませんよね。
子供が好きなキャラクターやどうぶつのデザインの物など色々出ています。
上手に利用して大切な子供を危険から守りましょう。
子供用ハーネスの種類と選び方
子供用ハーネスと言われる物には主に、ベスト型、リュック型、リストバンド型の3種類があります。
【ベスト型ハーネス】

ベスト型のハーネスは、布や紐がベスト状になっていてそこに子供の体を通して使います。
背中にリード紐が付いていて、親が持つことによって子供が一定距離以上は離れてしまわない様になっています。紐は取り外しできるものが多いです。大人が使うハーネスに近いですね。
シンプルな作りでたたむとコンパクトになるので、持ち歩きにも便利です。
子供にとっては洋服の感覚で、最も負担がないかもしれません。
ただし、たびたび子供用ハーネスで話題になる、「犬じゃないんだから」と言われる問題。
この中では最も犬っぽく見える。と言われてしまうタイプかもしれません。
【リュック型ハーネス】

リュック型はリュックを子供が背負い、その背中にリード紐が付けられるようになっている物。
紐を付けずにリュックとして使う事も出来るのが便利です。
小さな子が自分の物を持ち歩く姿はとても微笑ましいもの。
子どもの負担にならない程度の軽いオムツや、子供が大切にして肌身離さず持ちたがるオモチャやぬいぐるみ、小さな絵本など、リュックにいれておくと子供も満足し、自立心も芽生えるかもしれません。
ハーネスとして使用するときには、もしもの時にリュックが抜けないように前に胸ベルトが付いている物を選びましょう。普通のリュックに自作で紐を付けたりするのは大変危険です。
ハーネスとして販売されている、しっかりとした作りの物を使用してください。
【リストバンド型ハーネス】

リストバンド型は子供と親お互いの手首につけて使用するタイプの物です。
この中では最もコンパクトになりますし、犬の散歩っぽく見えてしまうという問題もあまりないので、見た目が気になる方にはおススメです。
ただし、小さい時は手首につける事自体を嫌がる子も居るかもしれません。
どのタイプを使用するときも、手を繋ぐのは基本ですが、リストバンド型はプラスαで補助的な役割として「○○ちゃんと、離れて会えなくなってしまうと困るから使うんだよ。」と、理解できる頃になってからが良いのではと思います。
子供用ハーネスはいつから使える?年齢の目安と理由

子供用ハーネスが必要になってくるのは1歳前後、歩き始めの頃からです。
ただし成長は子供によってかなり違いますので、年齢等はあくまでも目安程度に、お子さんの発達状況を良く見て判断してください。成長がゆっくりのお子さんでも慌てない事。
1歳過ぎても歩き始めないからといって、ハーネスで吊り上げるような事は絶対にしないでくださいね。
【生後何ヶ月から使えるの?】
子供用ハーネスは歩き始める1歳前後から使えるようになります。
具体的には生後10ヶ月〜1歳半頃が目安です。これは、子供が自力で歩けるようになり、移動範囲が急激に広がるタイミングでもあります。
まだ歩行が不安定な時期は、ハーネスに頼りすぎるのは逆に危険な場合もあります。
ハーネスを使う際は、子供がある程度しっかり歩けるようになってから使用しましょう。
使用前には、自宅で装着練習をするのもおすすめです。
【一番使われる年齢はいつ頃?】
子供用ハーネスが最も活躍する年齢は1歳半〜3歳頃です。いわゆる「イヤイヤ期」と重なるこの時期は、自我が芽生え始め、手を繋ぐのを嫌がったり、急に走り出すことも珍しくありません。
特に公園やスーパー、駅などで「子供がどこかへ行ってしまうかも」という不安を感じるシーンでは、ハーネスが大きな助けになります。
1歳後半〜2歳児は体力もついてきて動きが活発になるため、手を離すのが一瞬でも心配になります。安全対策として、子供用ハーネスはこの年齢で使う人が非常に多いです。
【やめどきは何歳くらい?】
ハーネスのやめどきは明確に「◯歳まで」と決まっているわけではありませんが、目安としては4〜5歳頃です。個人差はありますが、この頃には歩行も安定し、親の指示を理解し行動できるようになる子が多いため、ハーネスの必要性も自然と薄れていきます。
ただし、兄弟がいて目が行き届きにくい場合や、落ち着きのない子などにはもう少し長く使う家庭もあります。無理に卒業する必要はなく、子供の発達や家庭の状況に合わせて段階的に使用頻度を減らすことがポイントです。
子供用ハーネスはどんな時に役立つ?
子供用ハーネスは、日常のさまざまな外出シーンで活躍します。特に、子供が急に走り出したり、手を振り払ってしまうような場面では、親の不安を軽減してくれる心強いアイテムです。ここでは、公園や道路、商業施設、交通機関など、よくある使用シーンを具体的に紹介します。
【公園や道路での安全対策に】

公園や道路は、子供にとって楽しい冒険の場ですが、同時に危険も多い場所です。
特に公園の近くに道路がある場合、子供が急に飛び出してしまうリスクがあります。
そんなとき、子供用ハーネスは飛び出し防止に非常に有効です。
広い公園では視界から外れてしまうことがありますが、ハーネスのリードがあれば、一定距離以上離れることを防げます。また、遊びに夢中で手を繋ぎたがらない場合にも、ハーネスがあると親の安心感が違います。
【スーパーやショッピングモールで】
スーパーやショッピングモールなど、人が多く集まる場所では迷子防止にハーネスが活躍します。
2歳前後の子供は好奇心が旺盛で、目を離したすきに別の通路へ行ってしまうことも。
子供がいたずらして人を困らせたり、商品を壊してしまったりそんな心配もあるかもしれません。
買い物中に手がふさがっている場合でも、ハーネスを使っていれば子供が遠くに行ってしまうのを防げます。
リュック型などデザイン性のあるハーネスなら、周囲の目も気になりにくく、自然に取り入れられますよ。
【電車やバスでの移動時】

公共交通機関を利用する際にも、子供用ハーネスは安全対策として便利です。
駅のホームでは一歩踏み出すだけで大事故に繋がる可能性があるため、絶対に目を離せない状況になります。
また、混雑した車内で手が滑って離れてしまったり、乗り降りの際に子供だけが先に動いてしまったりと、思わぬ危険が潜んでいます。ハーネスがあれば、子供の行動範囲を制限し、親子の接触を保てるため安心です。
子供用ハーネスのメリットデメリット

【子供用ハーネスのメリット】
まだ意思疎通ができず、危険な事を理解できない小さな子や、手を繋ぎたがらない子供をいざというときに守る事ができます。
複数の子供を連れている場合などは、全員に目を配るのが大変ですが、ハーネスを付けていればある程度安心できます。
交通量の多い場所や混雑した場所(駅、空港、テーマパークなど)で、子供が突然走り出しても親がすぐに制止できますし、道路や危険な場所への飛び出しを防ぐことができます。
目を離したすきに見失うリスクを減らせますので、迷子防止としても役立ちます。
子供が自由に歩いたり探索したりしながらも、安全が保たれるため、自立心や探究心を伸ばすことにもつながるかもしれません。
使い方にも注意は必要ですし、絶対ではありません。あくまでも補助的な役割ですが、あるかないかで子供の安全と親の安心はかなり変わるのではないでしょうか。
【子供用ハーネスのデメリット】
使い方を間違えると逆に危険な場合がある事は覚えておきましょう。
正しく装着しないと脱げたり抜けたりして、子供が転倒する恐れがあります。
リード部分が長すぎて、周囲の人や物に引っかかったり、子供が自由に動きすぎてしまったり。
紐があるからと手を繋がずに、距離をとり過ぎると、もしもの時急に走り出して引っ張られた子供がバランスを崩して転倒・頭部打撲などのケガをしてしまう事にもなりかねません。
もう一つ、これは気にするかどうかですが、子供用ハーネスに対して批判的な感情を持つ人も一定数居る。という事です。子供用ハーネスが話題になる度に、出る問題ではあります。
活発な子供の事を知らない人は「犬じゃあるまいし」などと心無い事を言う人がいるかもしれません。
子供用ハーネスを使うときに注意する事

まずはしっかりとした作りの物を選ぶ事。ベスト型やリュック型はお子さんの体に合う様に長さを調整できるものが良いですね。安全性を考えると、手作り品はお勧めしません。
実際使用する前に家で一度装着してみて、紐の長さなど調節し、簡単に脱げたり外れたりしないか必ず確認してください。取り外しの金具がこわれていないかも事前にチェックしましょう。
使用するときには、かならず基本手を繋ぎ、リードは余裕がある状態でいる事。
紐は子供をコントロールする為のものではありませんので、それこそ犬の様に自分が引っ張られてもいけません。リード紐が張った状態で子供を引きとめるのは本当にもしもの時だけ。
リードを過信しすぎてはいけません。親がスマホに気を取られてかえって危険な目に…などと言う話も良く聞きます。出来る限り目を離さず、子供と距離ができない様に気をつけて使用しましょう。
又、まだ歩き始めていない子を吊り下げて歩行練習に使用したりするのも良くありません。
吊り下げる事で肩の脱臼、無理に歩かせることでО脚などその後の骨や姿勢にも影響が出る恐れがあります。その子の成長速度に合わせて、あわてず必ず歩き始めてから使うようにしてくださいね!
子供用ハーネスを使用していた私の体験談

実際子供用ハーネスが必要かどうかはお子さんの特性による所も大きいと思います。
外出先でも絶対に手を繋いでおとなしくしていてくれる子ならあまり必要性は感じないかもしれません。
ただ、私は子供用ハーネスには本当に助けられました!
子供が1歳2か月の時にシングルマザーとなりましたが、その時既に母は他界しており、兄弟間では最初に子供を産んだので、子供をあずけて出かけるという事はあまりできる状況にありませんでした。
又、うちの子は体力がすごくあるタイプで、気になる物が目に入ると手をふりはらって物凄い勢いで走って行ってしまう子で、何度もハラハラさせられましたし、実際ショッピングモールで見失ってしまって血眼で探した事もありました。
ほんの数分の出来事だったと思いますが、生きた心地がしないとはこの事。という出来事でした。
子どもの興味を引く物って、戦略的に子供の目線あたりにあるのはビジネスとして良く分かるのですが、それを子供より先に見つけるというのは初めての場所で、初めての子をもつ親としてはかなか難しく、だんだんと分かるようになってきたのはだいぶ後になってからです。
見失った事件の後、これは我が家には絶対必要だと感じ、私が購入したのは羽の付のいたリュック型の物です。
リュックの中にはだいたい替えのオムツ2枚位と、あんぱんまんと戦隊ものが好きな男の子だったので、出先で気を紛らわせるような小さな絵本や、ソフビの人形なども入れていたかな。
もうずいぶん前の事ですが、ほほえましく見てくれる方のほうが多かったと思います。
今はその頃以上に可愛いデザインのものがたくさんあります。
お子さんと親御さんの安全と安心の為に、必要があれば一部の声はあまり気にせずに試してみて欲しいと思います。
笑われたって、奇異な目で見られたっていいんです。自分の子供の命の方が大事ですから。
子供用ハーネスを上手に使おう!

子供用ハーネスは、メディアやSNSなどで批判的な声を目に耳にすることもあります。
でも人が多く集まる所に行かなければいけない場合や、1人で2人の子供を見なければいけない場合など、たとえ子供が大きくなるまでのたった数年だとしても、子供の手が絶対に離れない状況ばかりで生活できる人は少ないでしょう。
電車での移動、スーパーでの買い物、近所でのお散歩。
そんなちょっとした事でも、自我が出てきた子供は親の都合になんてそうそう付き合ってくれません。
電車、スーパー、近所の公園や道路、子供にとって安全な場所でしょうか?
逆に一瞬も目を離さないというのは現実的ではありませんよね。
もちろん手を繋ぐ、きちんと見ておくのは大前提ですし、いつから使うかなどの判断も必要ですが、もしもの時あなたのお子さんを守れるのはあなただけという場面で、きっと役に立つことでしょう。